不動産鑑定評価
減損会計、相続税資料、現物出資、担保評価、争訟等の公の資料として「不動産鑑定評価」
こんなときに株式会社横浜不動産鑑定の鑑定評価を ご利用ください
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(株)横浜不動産鑑定が鑑定評価書の作成にあたって
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フリーダイヤル0120-707-222、FAX045-317-1246にてご相談ください。
鑑定業務は県外でも行っております。お気軽にどうぞ!
不動産調査報告書で間に合うケースもあります
 ■「不動産調査報告書」は、不動産鑑定評価書の簡易版と思っていただければよいと思います。
 ■不動産鑑定評価書は、基本的には公的機関や民間会社からの依頼が多く、鑑定報酬額も
  一般の方からみれば相当に高いものとなっています。
 ■株式会社横浜不動産鑑定では、できるだけ一般の方々にご利用いただけるように、
  簡易版としての不動産調査報告書を作成することにいたしました。  

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特にお急ぎで予算を割きたくない場合には、不動産簡易査定書を!
 ■不動産の価格をとり急ぎ知りたい、不動産の価格を知りたいが費用をかけたくない、
  複数の物件で買い悩まれている、複数の物件を所有し、処分を検討されているために
  大まかな価格を知りたい、不動産の担保評価を簡便に行いたいとの要望から
  不動産調査報告書の内容をさらに簡略化させたものが「不動産簡易査定書」です。
 ■簡略化したといっても、評価の手法は鑑定評価書等となんら変わりはありません。
 ■ただ、不動産鑑定書や不動産調査報告書と異なる点は、地域分析、個別分析について最低限の
  記述に止めるという点です。この地域分析及び個別分析の記述につきましては大変な時間を
  要しますが、ここを最低限の記述に止めることによって省力化を図るものです。
 ■もちろん、実地調査、権利関係の調査、役所調査は当然に行い、
  当該物件に問題点がないか調査いたします。            

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 なお、上記「不動産調査報告書」「不動産簡易査定書」につきましては、
 不動産の鑑定評価に関する法律上の「鑑定評価書」ではありません。
 裁判所や税務署等の公的機関に提出される場合には「不動産鑑定評価書」が妥当と思われます。
(株)不動産鑑定の不動産鑑定書の最大の特徴
不動産鑑定士と一級建築士が協働して鑑定評価書を作成することにあります
弊社では担当の一級建築士が在籍しており、建物の再調達原価の把握、
減価修正額の査定について適切に査定しております。

特殊な建物、例えば競技場(スタジアム)大規模工場大規模病院
セレモニーホール等、一般の不動産鑑定事務所では
建物の再調達原価の把握が難しい建物や工場財団等の評価、
借地非訟事件に係る建物朽廃の判定等の実績を有しております。

不動産鑑定士と一級建築士が協働して鑑定評価を行うという意義は、
例えば更地の評価の場合でご説明しますと以下のとおりです。

更地の評価は一般住宅地を除けば最も難しい評価です(簡単だという意見の方もいらっしゃるかもしれませんが)。
更地の評価では基本的に次の方法で価格を求めます。

(1) 実際に取引された取引事例と比較して対象地(更地)の価格を
   求める方法

(2) 対象地(更地)上に賃貸建物を建設し、賃貸することを
   想定した場合に得られる収益から求める方法

(3) 対象地(更地)の地積が、周辺にある通常規模の土地より
   かなり大きい場合は開発を想定(建売分譲やマンション分譲)
   して分譲総額から費用を控除して求める方法

ここで(2)については想定する賃貸マンションのボリューム(大きさ)によって土地価格は左右されます。
つまり、同じ土地であっても200平方メートルの賃貸マンションが建設可能とみるよりは、250平方メートルの賃貸マンションが建設可能と想定する方が賃貸可能面積は増えますから、通常、土地価格は高くなりますね。
ですから、この想定建物のボリューム如何によって、求める価格は大きく左右されることとなります。
建物のボリューム想定を適正に行うことは非常に大切です。

しかしながら、建物のボリューム想定はかなり難しいものです。
特に建物の一部が容積率不算入等の緩和措置を受けることにより、延床面積では基準容積率を超過することは珍しくありませんから、単純に机上で容積率限度一杯に建物のボリューム想定をすることは全く意味の無いこととなっています。逆に、日影規制による制限等によって許容容積率を大きく下回る建物の想定しかできない場合も実は多いものです。
個々の不動産の画地規模、道路幅員及び位置関係、形状、容積率の如何、日影規制の有無等によって想定される建物のボリュームは異なります。

弊社では不動産鑑定士等と一級建築士が現地に赴き、それらの立地条件を十分に把握した上で、市場性、法的な制限等をクリアした想定建物のボリューム計算をしております。
配置図、平面図及び立面図、日影図は基本的に作成しております。
このことは(3)のマンション分譲想定についても同様に言えることです。
(3)のうち、建売分譲を想定する場合には、区画割図面(分譲想定図面)を作成しております。

これらの作業を行うことによって、結果として精度の高い鑑定評価書が発行できるものと考えます。

 
▲不動産鑑定評価書の分譲想定図面

鑑定評価書の作成にあたって心がけている事項
 不動産鑑定評価書は概ね次の(1)〜(5)により構成されています。
(1)鑑定評価額(2)対象不動産の表示(3)鑑定評価の基本事項(4)鑑定評価額決定の理由と要旨(5)試算価格の調整と鑑定評価額の決定
このうち特に重要なのは(4)と(5)です。

(4)鑑定評価額決定の理由の要旨

(4)鑑定評価額決定の理由の要旨については、さらに
 1対象不動産の確認 2一般的要因の分析
 
3地域分析(市場分析を含む) 4個別分析
 
5鑑定評価方式の適用に細分されます。


2の一般的要因の分析については、マクロ的な視点で不動産市場を取り巻く経済状況等を検討し、対象不動産の価格に直接的・間接的にどのような影響をあたえているかを主として分析します。

ところが、ただ単に新聞の経済面や各省庁の発表する各種データーから文章を引用して長々と紙面を割いて形式的に記載している鑑定評価書も見られ、それらの資料やデーターがどのように不動産の価格に影響を及ぼしているのかを記載している評価書は少ない。

弊社ではこの部分は劇的な経済状況の変化によって不動産の価格形成に重要な影響を与える場合にのみ記載しています。

代わりに(5)試算価格の調整と鑑定評価額の決定の細項目である価格形成要因の分析の適否において、地価の一般的な推移・動向、消費の推移・動向等が、求めた試算価格に適切に反映されているか否かを端的に検討するようにしています。

3の地域分析ですが、簡単に言えば、対象不動産が所在する地域の状況により価格水準は異なることから、この地域分析を通して地域的な価格水準を把握することに意義があります。

住宅地を例にとると、都心からの距離が近くて、街路が整然としていて、街並みが綺麗で緑が豊か、画地規模が大きいお屋敷が多く建ち並んでいて、住むにあたって誰が見ても快適だろうなと思えるような地域の地価は高いです。

反対に駅から遠くて、幅員が狭く、行き止まりや一方通行の規制が多い街路沿いに、小さな工場や小規模住宅が密集しているような地域の地価は低いです。

ですから、地域分析は、鑑定評価方式を適用して求めた試算価格の裏づけ資料となり得るように表現しなくてはならないと思います。つまり、この地域分析で記載した文章は求めた価格と密接にリンクするわけですから、できるだけ分かりやすく表現することが必要となるのです。

例えば、地域分析の街路条件について記載するときに、
「対象地が接面する幅員約6mの舗装市道を標準とする。系統・連続性は比較的良好である。」とこのように記載すると、地域内の街路条件はとても良いイメージがあります。でも、本当は対象不動産が接面する街路のみが良いという場合も多いです。上の表現では対象地が接面する街路ばかりに目をとらわれ過ぎているということです。

地域というのはもっと広い意味で使われるのが一般です。特に住宅地は面的に広く地域を捉えるべきでしょう。

したがって、「地域内は狭隘な私道が多く配されており、行き止まり路や階段状の街路もあって、総じて雑然とした感があり、街路の系統・連続性は劣る。標準的な街路は幅員約4mの舗装私道である。なお、対象不動産が接面する幅員約6mの表通りは北東方で県道○○に連続している」

対象地が接面する街路は地域内の普通の街路より優ることになります。この優っている程度については対象不動産の個別分析において考量することとなります。

接近条件については、最寄駅やその他の交通機関、公共施設への距離を単純に記載するだけではダメだと思います。単に公共施設への距離を書いているだけでは何を分析しているのか分からない。例えば、
「JR○線○駅の北東方約3.7kmに位置する。同線の朝夕の運行間隔は7〜8分程度である。市立○小学校○m、市立○中学校○m、郵便局○m」

この程度の記載ではマンションのパンフレットに記載されている内容の方がいいです。最寄駅への距離、その他の公共施設等との距離を記載した上で、だから交通接近性・利便性は良いのか悪いのか、生活利便性は良いとか悪いとかという鑑定士の判断がなければ分析とは言えないのではないでしょうか。

「近隣地域の中心から最寄駅であるJR○○線「○○」駅まで北東方約3.7km(道路距離、以下同じ)、私鉄○○線「○○○」駅へは南西方約3.9kmである。最寄駅への接近性に劣るが、対象不動産の南方約200mにA社「○○」バス停が所在し、○○駅、○○○駅へ平日の日中に1時間当たり4〜5本運行している(「○○」駅へは所要時間約20分)。年配者を中心にバスの利用者は比較的多い。「○○」駅からターミナル駅である「○○」駅へは所要時間約30分、「○○」駅へは約59分、「○○○」駅から「○○」駅へは「○○○○」駅で快特電車に乗換えて約30分(乗換時間5分を含む)である。通勤・通学等の交通利便性は住宅地としてはやや劣ると判断する。また、対象地周辺には観光スポットが点在しており、休日を中心に渋滞となることが多い。公共・公益施設は町立○○小学校が東方約1.1km、町立○○中学校が東方約3.1km、○○町役場が南東方約1.4km、○○郵便局が南方約350mに所在する。日用品の買物は南方約400mに所在する「○○○スーパー」や南方約1.6kmに所在する「○○ストア店」等を利用する。しかし、いずれも小規模店舗で品揃えが少なく、また夜7時までの営業であるため、車で約20分に所在する大型スーパー○○に休日を利用して出かけることが多いと聞く。公共・公益施設及び生活利便施設ともにやや距離があり、生活利便性は劣るものと判断する」
この程度の記載は心がけています。

環境条件については現状のみを記載するのではなく、過去から現在に至るまでの推移及び動向をしっかり記載し、読み手に分かりやすくすることを心がけます。

下記のような記載は端的とは言えますが、分析していることにはならないと思います。
「自然的状態:平坦地、供給処理施設:上・下水道がある、危険嫌悪施設等:ない、土地利用状況:中規模一般住宅を主体とし、保養所も見られる住宅地域である。」

少なくとも次の程度の記載を心がけております。
「近隣地域は幹線道路背後に中小規模一般住宅が建ち並ぶ住宅地域である。地域内は狭隘な街路が多く、雑然と配されているが、車の通行量は少なく、古くからの邸宅も見受けられ、比較的閑静な住宅地域を形成している。また近隣地域は広大な山の麓に位置するため、周辺は良好な自然環境が保たれており、居住環境は良好といえる。当該地域及びその周辺は従来から一般住宅を主体とする住宅地域を形成していたが、海に近いとともに緑に囲まれ、自然豊富な環境にあるため、以前は企業の寮・保養所も数多く見受けられた。しかし、徐々に保養所等は姿を消し、跡地の多くは区画割りされて一般住宅の敷地へと転換し、保養施設等は現在では散見される程度である。住宅地として知名度が高く、また良好な自然環境を維持しているために当該地域の住宅需要は堅調であるため、将来的には規模の大きい画地の細分化がいっそう進むものと思料する。供給処理施設は、上・下水道が整備されている。」

標準的な形状・規模については「一画地が間口9m、奥行15m、規模135平方メートル程度の長方形地」この記載では道路との関係が分からない。
したがって、以下のようにするよう心がけています。「幅員約4.0mの舗装私道に南東接面する、間口約9m、奥行約15m、規模約135平方メートルの長方形の中間画地」。

地価変動率についてはできるだけ読み手が分かりやすいように、グラフを用いて記載しています。以下グラフ例
   ○○市住宅地域内に所在する標準地の公示価格の平均(1平方メートルあたり)の推移▼
グラフ例

市場分析について、この欄の記載のない評価書は多いです。対象不動産が所在する地域の不動産市場を分析することは、一般的要因について長々と新聞記事等から抜粋して記載するよりもはるかに有用性は高いと思います。この市場分析は、必ず対象不動産の価格に直接的にリンクするはずです。

弊社では次のような市場分析を行うよう心がけています。なお、評価にあたっては、複数の地元不動産業者さんへの聴聞は必須条件です。

「地元不動産業者によると、近隣地域及びその周辺は海に近く、○○海水浴場まで徒歩で行けること、緑が多く、自然環境に恵まれていること、昔からの邸宅も多く、居住環境は良好であることから○○地域の中でも人気の高い地域である。昔はこのような立地条件から企業の保養所等も多く、需要もあったが、ここ数年は経済情勢を反映して保養所等の需要は極端に弱い。一般住宅地として分譲する場合、近年、画地規模25〜30坪程度の戸建分譲(土地・建物総額35,000千円〜40,000千円前後)も見られるが、売れ残っているケースが多い。当該地域の需要者は○○等に居住する者のほか、東京や横浜方面の金銭的に余裕のある年配者や富裕者が多いため、更地分譲が好まれ、画地規模40〜45坪程度の需要が強い。なお、この地域ではこのような需要に合わせて戸建分譲ではなく、更地分譲が多い。その場合のエンドの価格は1坪当たり75〜80万円で土地総額30,000〜35,000千円が妥当であろうとのこと。

(対象地周辺の売り希望物件)
 1. 所在:○○市○○地内、分譲形態:戸建分譲、土地面積:104.88平方メートル
   建物面積:82.81平方メートル(平成16年○月新築)、価格:36,800,000円、
   前面道路:南4.5m、用途地域:1住居(60%、200%)、形状:路地状袋地
 2. 所在:○○町地内、分譲形態:更地分譲、土地面積:122.24平方メートル
   価格:33,800,000円(276,505/平方メートル)、前面道路:西4.8m、
   用途地域:1中高(60%、200%)、形状:ほぼ長方形
 3. 所在:○○町○地内、分譲形態:更地分譲、土地面積:119.80平方メートル
   価格:29,800,000円(248,748/平方メートル)、前面道路:西4.0m、
   用途地域:1中高(60%、200%)、形状:ほぼ長方形

対象地の需要者は地元の分譲業者と想定される。当該地域の住宅需要は比較的堅調であり、売買に際して市場滞留期間は短いものと判断する」。


4個別分析は最有効使用の判定を行うことを主目的としますが、これにつきましては、曖昧な表現はできるだけしないように心がけています。例えば、
「中層の店舗兼事務所叉は分譲マンションの敷地としての使用を最有効使用と判定する」と記載した場合、一体、どちらが良いのか読み手には伝わりにくい。

最近では商業地に分譲マンションが多く建てられるようになり、商業地域がマンションを主とする住宅地域へと転換しつつある地域もあることから、このような表現がみられるものと思われます。しかし、中層の店舗兼事務所とマンションでは、その土地に対する需要者は全く異なり、おのずから価格も異なることとなります。不動産の価格は最有効使用を前提とした価格ですから、何か一つにしなければ整合性はとれません。

このように、最有効使用の判定は、求める鑑定評価額に大きな影響を与えることから、これを曖昧にすることは評価自体が曖昧になっていると考えられるのです。
過去からの推移・将来の市場動向、地域分析を踏まえ、どちらが適するのかを把握して、例えば「中層の分譲マンションの敷地としての使用」と記載します。

5鑑定評価方式の適用については、例えば、評価対象地が更地の場合、取引事例比較法、収益還元法(土地残余法)、さらには地域の標準的な画地と比較して規模が大きい場合に開発法を適用します。

まず、取引事例比較法については対象不動産の存する地域の標準的な画地と取引事例が存する地域の標準的画地との地域要因の比較を行います。
具体的には街路条件、交通・接近条件、環境条件、行政的条件についての各項目について比較を行います。
これらの条件についてどのような点がどの程度優る(劣る)のか明示していない鑑定評価書にしたくありません。

例えば街路条件+4%、交通・接近条件▲2%、環境条件+6%、行政的条件±0%と記載されています。実際には内々で検討しているのかも知れませんが、このような表示では読み手が具体的にその内容を把握できないと思います。

上記の、街路条件+4%とは街路条件のうち、幅員に優るのか、系統・連続性に優るのか、歩道の設置状況に優るのか、それとも街路修景に優るのか、全くわかりません。

私どもではこれら条件について対象不動産の種類に応じて細項目を設け、何がどの程度優る(劣る)のか明示するようにしています。
住宅地の場合、居住の快適性、利便性に影響を与える要因として例えば、

街路条件については、幅員・歩道の有無+1%、系統・連続性±0%、街路の配置・整然性+3%(結果として街路条件+4%)
交通・接近条件については、駅距離▲3%、最寄駅の性格±0%、商店街等の利便施設との距離+1%(結果として交通・接近条件▲2%)
環境条件については、街路修景等の街並みの状態+3%、周辺の土地利用状況+3%、各画地の配置・規模±0%、自然的環境の良否±0%、供給処理施設の状態±0%(結果として環境条件+6%)
行政的条件については、容積率±0%、行政上の規制の程度±0%(結果として行政的要因±0%)等


より具体的に、より細分化して比較検討を行うことによって求める価格の精度を高めていくよう心がけています。

次に、収益還元法(ここでは土地残余法)については対象地上に建物を建設し、賃貸することを想定して求めますが、先述したとおり、想定する建物について市場動向を把握した上で公法上の諸規制に適合する建物の図面を一級建築士が作成するほか、純収益の把握に当たっては、適正賃料把握のために対象不動産と立地条件、建物品等、規模等が類似する新築もしくは築後間もない賃貸事例を裏づけ資料として多数収集します。

賃貸事例はアットホームやレインズにより収集しますが、賃貸事例といえども必ず現地に行って、事例の建物品等、立地条件、築年と維持管理の状況を確認し、それを踏まえ、想定する建物の適正賃料を把握することにしています。収益還元法(土地残余法)の生命線は、建物ボリュームと適正賃料の把握であると思います。したがって、賃貸事例を重視します。

開発法については地域性、市場の需給動向、対象地の個別性等を勘案し、立体的利用(マンション分譲)が良いのか分割利用(戸建もしくは更地分譲)が良いか適切に判断した上で上記と同様に一級建築士が図面を作成するほか、周辺に所在する新築マンション、新築戸建等の分譲事例を裏づけ資料として多数収集します。

開発法の生命線は、マンションの場合は建物ボリューム、戸建分譲の場合は土地の区画割の適格さ及び販売価格にあると思います。したがって、土地残余法と同じく分譲事例は必ず現地に行って確認を行います。

以上、更地の場合の評価について簡単に述べましたが、私どもはその不動産の種類<住宅地、商業地、工業地等(鑑定評価上、種別という)及び更地、建付地、借地権、底地、自用の建物及びその敷地、貸家及びその敷地、借地権付建物、区分所有建物及びその敷地等(鑑定評価上、類型という)>に応じて時間的な制約やコスト面での制約の中で可能な限り資料を収集し、かつ、綿密な調査を行う努力は惜しみません。結果として精度の高い鑑定評価書が発行できるものと思います。


(5)試算価格の調整と鑑定評価額の決定

できるだけ基本に忠実に下記のような調整・決定文を記載するように心がけています。

(参考例)

以上より、
比準価格       000,000,000円
開発法による価格   000,000,000円

の2試算価格を得たが、開差を生じたので鑑定評価手法及び採用した資料の有する特徴に応じた斟酌を加え、鑑定評価の手順の各段階について、客観的、批判的に再吟味することにより試算価格の調整を行った上、鑑定評価額を決定する。

・.試算価格の調整

比準価格は対象不動産と最寄駅への接近性、周辺の土地利用状況等が類似する住宅地の事例を広域的に収集・選択し、これに取引事例比較法を適用して求めたものである。取引事例Aは系列会社間における取引であり、何らかの特殊な事情を含むと思われ、地域の価格水準からかけ離れた価格が求められた。また、取引事例Cは取引の時点が古いため、やや規範性にかける。したがって、周辺の土地利用形態が最も類似する事例Bから求めた価格及び取引の時点が相対的に新しい更地の取引である事例Dから求めた価格を重視して比準価格を試算した結果、当該地域における不動産取引の実態を反映した実証的な価格が求められているものと判断する。

しかしながら選択した取引事例はいずれも戸建分譲地の事例であり、規模の面で大きく対象地と異なるほか、想定される需要者も異なる。また対象不動産は敷地内に私道が存する等、個別性の強い画地であり、当該個別格差率の査定に当たっては対象不動産の実態に即して求めたものの、鑑定評価主体の主観の介在の余地が高く、理論的根拠に乏しい面を否定できない。

開発法による価格は対象地を開発し、更地分譲することを想定して求めたものであり、開発業者の投資採算性を反映した説得力のある価格である。販売総額については、画地3を標準画地(添付の「想定開発図面参照」)として、標準価格¥000,000/平方メートル(別表−2参照)に各画地の個別格差率を乗じて各画地の単価を求め、これに面積を乗じて得た価格の総和により求めたものである。造成工事費については、別紙−1のとおり、準備工事費、土工事、排水工事、道路工事、付帯工事に間接工事費及び標準的な諸経費を積算して求めた。

開発スケジュール等については流動的な側面を有するものの、地域における標準なものを考慮の上、対象不動産の規模、形状、敷地内高低差、道路付け、道路幅員を勘案して求めたものであり、規範性は高いものと思料する。ただし、対象不動産の敷地内に存する潰れ水路の取得を前提とした開発計画であり、取得費用等の点でやや不安定な面を有する。

さらに、本件においては次の諸点につき検討を加える。

1.試算価格の再吟味

イ.資料の選択、検討及び活用の適否

取引事例比較法の適用における取引事例については本件が地域の標準的な画地と比較して規模が大きく、主たる需要者は開発事業者に限られることから分譲素地の事例の収集については時点を遡って広域的に求めたが、特に対象地と規模の面で規範性を有する事例を収集できなかった。従ってできる限り最寄駅の接近性、周辺の土地利用状況の類似する事例を選択したが、いずれもエンドユーザーを取引当事者とする事例であり、標準価格の把握に当たっては規範性を有するものの、需要者の観点から説得力に劣るものと思料する。

ロ.価格諸原則の当該案件に即応した活用の適否

特に需要と供給の原則、代替の原則、最有効使用の原則、予測の原則を重視した。

ハ.価格形成要因の分析の適否

一般的要因: 地価は都心及びその周辺部の住宅地・商業地で上昇、横ばい地点が増加傾向にあり、一般的に下落率は縮小傾向にあるものの、下げ止まる状況には至っていない。景気は政府によると企業収益の改善や設備投資の増加等より緩やかに回復に向かっているとの見解を示しているが、依然として雇用情勢は厳しい状況が続いており、個人レベルでの景気回復の実感は薄い状況にある。○市の住宅地価は下落率については徐々に縮小傾向あるものの、依然下落傾向にある。

地域分析:

対象不動産の存する近隣地域は一部に企業の保養施設も見受けられるが、近年、これらの施設は徐々に姿を消しつつある。当該地域は旧来からの一般住宅を主体とした比較的閑静な住宅地域であるが、バブル期との比較において地価が約半値近くになっているため、近年では30代〜40代までの住宅需要が根強い。したがって、当該地域及びその周辺地域では規模の小さい130平方メートル程度に区画割りされた住宅地も見られるようになった。

個別分析:

対象不動産は周辺住宅地と比較して規模が大きい画地であり、主たる需要者は開発業者と考えられる。地域的には容積率が200%であり、立体的利用も考えられるが、分譲マンションは○○湾の眺望が確保された立地条件にない場合には競争力は弱い状況にある。近隣地域の標準的使用の現状(中小規模の一般住宅地)と将来の動向(敷地の細分化が進むであろう)並びに対象不動産の個別性(位置、形状、規模、道路との接面状況、敷地内に私道が介する)を総合的に勘案して区画割り後、一般住宅の敷地としての利用を最有効使用と判定した。

ニ.各手法の適用において行った各種補正、修正等に係る判断の適否

取引事例比較法において行った補修正、要因比較等及び開発法において行った開発計画、販売総額・造成工事費の算定、開発スケジュール等は対象不動産の実態に即しており妥当である。

ホ.各手法に共通する価格形成要因に係る判断の整合性

取引事例比較法の適用において考慮した地域要因、個別的要因は開発法の適用における販売総額・造成工事費の算定、開発計画、開発スケジュール等に反映させており、矛盾はない。

へ.単価と総額との関連の適否

対象地に対する需要者にとって割高感、割安感はない。

2.試算価格が有する説得力に係る判断

本件の主たる需要者は開発業者であり、市場における取引価格を参考・比較しながらも開発地における事業の投資採算性を最も重視するものと思料する。地元精通者意見においても地域の一般的な取引水準はあるが、開発地の造成の難易、宅地の有効利用度、車両の進入の可否等により取引価格は大きく異なり、開発業者の適正な利潤を確保できる価格で取引価格は決まるとのことである。

以上より、対象地の実態に即して開発を想定し、販売総額、造成工事費、開発スケジュール等の各段階において妥当と判断される開発業者の投資採算性を反映した開発法による価格が最も説得力を有するものと判断する。

・.鑑定評価額の決定

上記の検討の結果、本件においては対象不動産の種類、市場性、地域の実情等を総合的に勘案して、開発業者の投資採算性を反映した説得力のある開発法による価格を標準とし、取引の実態を反映した比準価格を比較考量して、対象不動産の鑑定評価額を総額000,000,000円(¥000,000/平方メートルと決定した。この価格は標準地の公示価格を規準とした価格と均衡を得ており妥当と判断する。


以上、心がけている点をつらつらと書いてみましたが、基本に忠実に手を抜かないようにしているだけです。

不動産鑑定評価の依頼人の多くの方が、不動産鑑定評価についてあまり詳しくない方が多いため、正直なところ手を抜くという誘惑にかられることもあります。例えば、「地域分析」の記載事項や「試算価格の調整と鑑定評価額の決定」の記載について部分的に省略したり、ごく短く記載することは可能なのかも知れません。

また、ご依頼者のなかには不動産鑑定士が作成した鑑定評価書に鑑定評価額さえ記載されていればいいとのお考えの方も現にいらっしゃいます。
しかし、専門家の端くれとしてこれからも基本に忠実に評価を行いたいと思っております。

なお、上記に記載した地域の状況等はある地方都市を想定しておりますが、実際に存在する土地ではなく架空のものです。
また、できるだけ専門用語は排除したつもりですが、分かりにくい点があればご連絡いただければお答え申し上げます。

 

▲不動産鑑定評価書イメージ(実際の内容は物件によって異なります)


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