不動産調査日記by横浜不動産鑑定
No.020
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専門家(不動産会社の営業マン)の小さなミス?
by田口 博司

 ある不動産会社の営業マンが、お客様をY市内の旧分譲地に建つ二階建の住宅に案内しました。駅からは遠いのですが、区画整然とし、閑静なうえ土地の広さも50坪近くあったものですから、奥様は気にいってしまいました。

 南側には小さいながら庭もあります。小さな子供のブランコも置けるし、遊び場も出来るし・・・と、夢は広がるばかりです。ご主人は通勤のこともありいまいち乗り気ではありません。が、世の中の常として奥様の意向が強く、押し切られる形で契約をしました。

 ここで何事もなく終われば、めでたしめでたしといくところですが、仲介をした不動産会社の営業マンが大失敗をしてしまいました。

 不動産会社は、物件を購入するお客様に「重要事項説明書」を発行し、宅地建物取引主任者が説明する義務があります。「重要事項説明書」の内容は、物件の所在から始まって、面積、道路の種類、広さ、上下水道、ガスの種類、その他、購入予定物件の内容が細かくわかるようになっています。

 通常、重要事項説明書の作成は宅地建物取引主任者がおこないますが、法務局、役所等の調査は営業マンがするのが一般的です。その営業マンはその調査で失敗しました。建蔽率、容積率、上下水道等の調査をはじめ、役所での調査を終えた営業マン、他に調査漏れがないかチェックをし「これで全てよし」と帰社したそうです。

 調査内容と書類を宅地建物取引主任者に提出し、書類が作成されました。後日、無事契約が済みました。問題はその後起きました。

 重要事項説明書には、ガスの種類が「都市ガス」とありました。

 しかし、プロパンガスだったのです。奥さんはプロパンガスが嫌いでした。プロパンガスだったら買わなかった、解約をしたい!と不動産会社に申しいれてきました。

 結論は、数百万円のペナルテイを支払い解約にはいたりませんでしたが。

 なぜこんな間違いが起きたのでしょう。

 営業マンは現地でプロパンガスのボンベがないのを確認していました。プロパンガスのボンベがないのだから当然のこと都市ガスであると考えて、ガス会社での調査をしませんでした。

 その一帯は、中堅のデベロパーが開発した分譲地でした。分譲地の一角にガスボンベを置く小屋を作り、そこから各戸にガス配管をしたのです。集中プロパン供給方式といいます。したがって各戸にはガスボンベがありません。

 慣れや常識と思っていることほど怖いものはありません。まして高額な買物ですから「チョット失敗した」ではすみません。同じことを何回も調べるくらいで、ちょうどいいのではないでしょうか。
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